製薬会社や医療関係者が、ある病気について大規模な啓発活動を行うこと。疾患喧伝(けんでん)ともいう。様々な弊害を招きうる病気作りの行為として、しばしば批判的に用いられる。近年、先進国では、マスメディアやインターネットを使った大規模な疾病啓発活動を行うことによって、医療機関の受診者を増やす、というビジネスモデルを確立させた。日本でも2000年頃からテレビコマーシャルや新聞広告で、特定の病気の怖さをあおったり、検査や予防薬の必要性を訴えるような啓発活動が一般化している。その結果、本来、健常な人までもが医療機関を受診し、不要な検査や投薬を助長しているのではないか、という批判がある。薬や検査の有効性や副作用では、専門家の間でも意見が分かれることが多く、問題が複雑化しやすい。現在、病気喧伝が批判されているものとして、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、小児の躁うつ病、年齢を無視した乳がん検診(マンモグラフィー)、男性型脱毛、社交不安障害、軽いメタボリックシンドローム、などがある。精神疾患は正常な状態と病気の区別が難しく、軽症例のほうが重症例よりも多いので、病気喧伝と批判されることが多い。