2013年に発表された、アメリカ精神医学会の精神障害診断基準。日本語では「精神疾患の診断と統計の手引き」。今回で5回目の改訂版となる。現在、DSMはアメリカ国内の精神科の診断基準であるだけではなく、臨床や研究におけるグローバルスタンダードでもある。今回の改訂では、大うつ病エピソードの診断基準から死別反応の除外の項目が削除された、アスペルガー症候群という診断名がなくなった、といった多くの変更が行われた。しかし今回の改訂においても、操作的診断という基本方針、つまり症状の有無や持続期間の項目の有無によってアルゴリズム的に診断する、という原則については変わっていない。DSMは、今後も約10年単位で改定が行われる予定である。