十分な睡眠をとらない生活が続き、睡眠不足が累積した状態。近年、慢性的な睡眠不足は心身に悪影響を及ぼし、個人や社会に様々な損失を与えると報告されるようになった。具体的な損失として、仕事や学習の能率が下がる、重大なミスが増える、がんや認知症のリスクが高まる、といったことが報告されている。極端な睡眠不足が仕事や学習に悪影響を及ぼすことに異論を唱える研究者はいないと思われるが、がんや認知症にどの程度のリスクがあるかに関しては、不明な部分も多い。肥満や喫煙といったリスクファクターに比べ、睡眠負債の健康や疾病に対する影響については、まだ研究成果が十分蓄積されていないと言われている。