がんの治療に入る際、患者に十分病状や治療法の違いによる予後等を説明して同意を得るという、インフォームド・コンセンを行うことが当然になってきた。説明の時には、データに基づいた医療評価(evidence based medicine)が必要になる。たとえ一時的にショックに陥っても、患者が正しく真実の状態を知って闘病生活に入るほうが予後がよいという研究もあり、前向きの態度を引き出すことが重要になる。欧米では、精神腫瘍学(psychooncology)という学問が育っていて、専門のカウンセラーが患者の精神的支援を行って成果を上げている。また、がんの治療法は専門性が高いため、医師から説明を受けても患者のみでは判断できないことが多い。そのような場合には、セカンドオピニオン(他の医師の意見を聞いて参考にすること)を求める方法もある。他の医師を紹介することも診療行為の一部になっているので納得のいくまで相談することがよい。