成人の腎臓がんが増えている。男女比では男性が2~3倍多い。腎臓がん手術の37%で腹腔鏡手術が施行されているという。腎臓がんの薬物療法ではインターフェロンやインターロイキン2、リンパ球注入などが試みられている。これら免疫療法は3、4期の進行がんが対象となる。腎実質から発生するものはグラビッツ腫瘍ともいわれ、血行性の転移が特徴的である。腎臓がんは、進行すると腎静脈から下大静脈にかけて腫瘍塞栓を作るので、術前のCTやMRIによる確診が重要である。治療は手術切除が基本で、抗がん剤は有効でない。腎盂がん(じんうがん)は腎臓がんの1割程度であるが、これも男性のほうが3倍多い。腎盂に発生するがんは移行上皮がんで、尿管や膀胱の移行上皮がんと同様の原因や性格をもつ。腎盂がんの二次がんとして尿管がんが20%あり、切除は通常腎臓と尿管の全摘出手術になる。腎盂がんには、シスプラチン等が有効である。