肺がんは男性では死亡率第1位である。肺門から比較的太い気管支に発生する扁平上皮がんと小細胞がん、さらに末梢肺に発生する腺がん、大細胞がんが主たるものである。最近は喫煙者に末梢型扁平上皮がんも増えている。女性は腺がんの割合が高く、受動喫煙や脂肪摂取が影響している。その他、ディーゼル排ガスや大気汚染の影響もリスクとして挙げられる。野菜、果物摂取は肺がん予防に効果がある。肺がんは進行してから見つかることも多く治療成績は悪い。したがって治療成績向上のためにはより早い段階でがんを見つけることが重要だが、近年は早期がんの発見方法としてヘリカルCT/ヘリカルシーティー(→「画像診断」)が普及してきた。
図「悪性新生物の主な部位別死亡率(人口10万対)の年次推移」