白血病は細胞起源から骨髄性とリンパ球性、経過から急性と慢性に分けられる。しかし、それぞれの白血病はほとんど独立した別個の腫瘍とみなせるほど、臨床経過や薬剤への感受性が異なる。急性骨髄性白血病はFAB(France-America-British)分類によって、M1からM7までに細分化される。ペルオキシダーゼ陽性細胞の量によるM1とM2は骨髄芽球性、M3は前骨髄球性、M4は骨髄単球性、M5は単球性、M6は赤芽球性、M7は巨核芽球性白血病に対応する。急性リンパ球性白血病はL1、L2、L3と分けられる。L1は小児に多いリンパ芽球型、L3はバーキットリンパ腫の白血化したものである。白血病には特有の染色体転座のあることが多く、M2の骨髄芽球性は8;21転座、M3の前骨髄球性では15;17転座、急性リンパ球性のL3では8;14転座を示す。慢性骨髄性白血病はPh1染色体で特徴づけられる。これは9;22転座によりでき、異常なbcr-ablたんぱく質が細胞増殖に関係する。急性リンパ球性白血病は小児に多い白血病で、最近は化学療法により治癒する。精神面や成長など長期のフォローアップ体制が必要になっている。大人の急性リンパ球性白血病の20%ぐらいはPh1陽性で治癒しにくい。慢性骨髄性白血病はほとんど大人の病気であり、経過は長いが幹細胞の腫瘍化のため化学療法による根治は見込めず、大量化学療法と骨髄移植が必要である。インターフェロンが効果をもつ場合がある。慢性リンパ球性白血病は日本人に少なくなったが、高齢者は少なくなっていない。