2008年4月、独立行政法人理化学研究所と国立がんセンターが、世界9カ国の機関とともに、主要ながんのゲノム異常(変異)カタログを作成するために発足させた国際共同プロジェクト。事務局はカナダのオンタリオがん研究所にある。ゲノムとは、分子生物学的には、生物のもつすべての遺伝情報のことをいう。ほとんどのがんで、共通して遺伝子の設計図であるゲノムに異常(変異)が生じて、無秩序な細胞増殖をきたすことが分かっている。また、特定のがんでは特徴的なゲノムの変異が明らかになっている。世界のがん研究者が協調して、がんのゲノム変異を体系的に地図化しカタログ化できれば、その成果ががんの予防、診断、治療に応用されることになる。