皮膚から鉛筆芯ほどの太さの針を挿入し、460~480キロヘルツのラジオ波電流を発生させ、イオン振動による摩擦熱で腫瘍を破壊する方法。ラジオ波焼灼療法ともいう。局所麻酔下で、超音波やコンピューター断層撮影(CT)などの画像をガイドにして行う。臨床研究では、肝悪性腫瘍以外に、肺、腎、骨軟部などの悪性腫瘍にも施行され、有効性が認められつつある。ただし、肝臓に対しては健康保険の適用があるが、その他の臓器については適用されない。手術と比較すると、肝悪性腫瘍に対するラジオ波治療は、皮膚表面に小さな針の穴しか残らず、肝臓の組織はそのまま残り、低侵襲の治療法だといえる。ただし、発熱や疼痛、出血、肝膿瘍や門脈内血栓、あるは火傷(やけど)などの合併症が見られることもある。