直接がんによるものや治療に伴う痛み、苦痛などを取り除くための治療。薬物療法と非薬物治療、およびケアの組み合わせになる。主となるのは鎮痛剤である。世界保健機関(WHO)が1986年に作成したWHO方式がん疼痛治療法によれば、鎮痛剤使用の5原則は以下のとおりである。(1)経口的に、(2)時刻を決めて規則正しく、(3)除痛ラダー(段階)にそって効力の順に、(4)患者ごとの個別な量で、(5)そのうえで細かい配慮を、となっている。投与は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)から始める。除痛の第1段階からアセトアミノフェンも選択肢の一つとなる。次の段階が、医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)である。日本国内で使用できるオピオイドは、コデイン、トラマドール、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどである。痛みが急に悪化する(突出痛)場合、徐放性製剤と同じ種類の速放性オピオイドを用いる。これをレスキューという。