がんによる痛みの強さに応じた、薬物の選択投与について、世界保健機関(WHO)が作成したガイドライン。(1)投与は負担が少ない経口的な方法で、(2)頓用ではなく時間を決めて規則正しく、(3)3段階の除痛ラダーに従って効力の順に、(4)個人差を考慮して患者ごとに個別の至適量を、(5)十分な副作用対策や患者教育などの細かい配慮のもとで、という5原則に従うのが基本である。3段階の除痛ラダーに従った治療法とは、軽度の痛みには非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンなどの医療用麻薬でない鎮痛剤を、中等度の痛みにはコデインやトラマドールなどの弱い医療用麻薬を、高度の痛みにはモルヒネ、オキシコドンやフェンタニルといった強い医療用麻薬を、強さの程度に応じて段階的に使用するものである。禁忌でない限り、医療用麻薬でない鎮痛剤を併用するのが原則である。また、鎮痛補助薬の併用も考慮する必要がある。