いびきは、仰向けで寝ている時に舌根部(ぜっこんぶ)が沈下して上気道が閉塞(へいそく)し、そこを出入りする呼気で粘膜が振動して発生する。睡眠時に一部の外舌筋の緊張が消失することにより生じる。本人は気づかないことが多く、他人の睡眠の妨げとなって気づかれる。上気道の閉塞がはなはだしい場合には、睡眠時無呼吸を生じることがある。睡眠中に十数秒から数分間におよぶ無呼吸状態が繰り返し起こるもので、激しいいびきや、いびきの中断などによって気づかれることがある。睡眠が妨げられ、日中に過剰な眠気や疲労感を生じる。また、自動車の運転中に強い眠気が発生し、運転を誤って人身事故を起こすなど、深刻な問題を引き起こすことがある。睡眠障害が進むと、知的能力の低下や人格の変化、心血管系の異常を生じる場合もある。多くは気道の閉塞によるもので、一部中枢神経の障害によるものもある。睡眠時無呼吸はとくに肥満者に多く、減量するだけで解消する場合がある。