肩こりはさまざまな原因で起こるが、その大きな原因となるのが、肩甲骨をぶら下げている頸の筋肉の疲労である。上肢は肩甲骨と肩関節によってつながっているが、肩甲骨は細い鎖骨のみを介して体幹につながっていて、上肢全体の重量は僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋という頸から肩甲骨をぶら下げる筋によって支えられている。これらの筋は、絶えず収縮力を出しているので、エネルギーを消費して疲労物質を作り出す。さらに動くことが少ないので、血液循環が悪くなり、疲労物質が筋肉にたまりやすい。それにより筋肉が刺激されて固くなると、ますます疲労物質がたまりやすくなる。そのような肩こりを治すには、血液循環をよくすること、筋肉の緊張をほぐすことが役に立つ。肩甲骨の少し上あたりをもんで、頸から肩をぶら下げる筋の血液循環をよくしてやること、要するに肩をもんでやるのがよい。肩をもんでくれる人がいなければ、腕とともに肩甲骨を動かして、肩甲骨をぶら下げる筋を伸ばしたり緩めたりするのも役に立つ。