脊柱は椎骨(ついこつ)が積み重なった柱状の骨格。内部には脊髄を収める脊柱管がある。脊柱の側面で隣り合う椎骨の間には、椎間孔という神経の通り道が開いている。椎骨はその形によって、7個の頸椎(けいつい)、12個の胸椎(きょうつい)、5個の腰椎(ようつい)に分かれており、それに続く5個の椎骨は融合して仙骨(せんこつ)になり、さらに小さな尾骨(びこつ)となって終わる。胸郭は12対の肋骨(ろっこつ)と、それにつながる胸の前面の胸骨(きょうこつ)が作るカゴ状の骨組み。弾力性があり、肋骨の間の肋間筋(ろっかんきん)、および周辺の筋の働きによって、広がったり狭まったりする。肺は胸郭の内面に密着しており、胸郭の運動によって空気を出し入れする。胸部と腹部の間を横隔膜(おうかくまく)という筋肉のシートが隔てており、この運動によっても肺への空気の出し入れが行われる。頸椎は頭蓋(とうがい)と胸郭の間で、腰椎は胸郭と骨盤の間。ともに可動性が高い。骨盤は、脊柱の下端の仙骨と尾骨の両端に下肢帯の寛骨(かんこつ)が強固に結合してできた骨格。胃腸などの腹部内臓を下から支える働きをする。