骨の大部分を占める基質は、リン酸カルシウムなどの無機塩とコラーゲンを含む有機成分とからなる。骨基質およびこれを作り出す骨細胞(osteocyte)は、厚さ5ミクロンほどの層板状に配列されている。骨細胞は、層板の間の隙間に納まり、層板の中にある多数の細管内に突起を出す。層板は、骨の内外表層部では、表面に平行に配列しているが、内部では、血管を納めるハバース管(Haversian canals)を中心に同心円状に配列され、円柱状の骨単位(osteon)を作る。ハバース管と骨単位は、主に骨表面に平行に走る。ハバース管内の血管は、層板の方向とは無関係に走るフォルクマン管(Volkmann's canal)内の血管によって骨の内外表面の血管と結ばれる。骨組織は外力やホルモンに応じて形を整えるために、絶えず作り替えられている。骨基質の不要部分は破骨細胞(osteoclast)により破壊吸収され、加えるべき部分は骨芽細胞(osteoblast)により付け加えられる。