骨の成分の71%は、リン酸カルシウムを主体とする無機塩で、骨の硬さを作るとともに、身体の中のカルシウムの99%を占めて、その貯蔵として役立っている。カルシウムは、細胞の機能を調節する重要なイオンで、細胞質内では、きわめて低い濃度に抑えられ、血液中の濃度もごく狭い範囲に調節されている。骨からのカルシウムの放出と吸収のバランスは、二つのホルモンによって調節される。上皮小体ホルモン(PTH)は、骨からのカルシウムの遊離を促進し血液中のカルシウム濃度を上げ、カルシトニンは、吸収を促進してカルシウム濃度を下げる。カルシウムの腸からの吸収と、腎臓からの排出も、カルシウム濃度の調整にとって重要である。ビタミンDは、腸からの吸収を促進し、またPTHは、腎臓からのカルシウムの排出を抑制して、ともに血液中カルシウム濃度を上げるように働く。