骨は、リン酸カルシウムなどの無機成分の他に、コラーゲンなどの有機成分を含む。コラーゲンは細胞外に存在する線維状のたんぱく質で、その分子には十数種類ある。骨に含まれるコラーゲンはI型で、骨以外にも皮膚、腱、靱帯など結合組織(connective tissue)全般に広く見られる。コラーゲンのII型は軟骨に、III型はリンパ組織に、IV型は細胞周囲の基底膜に多く見られる。コラーゲンのほとんどは水に不溶性だが、熱水で処理すると分子の一部が切れて可溶性になり、ゼラチンとなる。I型のコラーゲンを主成分とする骨以外の組織を、線維性結合組織といい、そのうち線維が豊富で丈夫なものは、腱、靱帯、筋膜などとして骨格を補強する役目をしたり、皮膚の本体の真皮を作る。コラーゲンは身体のたんぱく質で最も量が多いもので、総量の3分の1を占める。