人間の骨で、骨化点が出現したり、骨端軟骨が消失して骨端と骨幹が融合する時期は、骨によってほぼ一定である。そのため全身の骨化点の数や、骨端と骨幹の融合の進み具合をX線で検査することにより、全身の骨の発育状態、すなわち骨年齢を推定することができる。臨床的に、骨年齢の判定に最もよく用いられるのは、手首の手根骨である。手根骨は、8個の骨からなり、出生時にはすべて軟骨で、生後6カ月~1年でまず有頭骨が骨化を始め、順次骨化点が現れて、最後に豆状骨が12歳頃に骨化するので、幅広い年齢にわたって、骨年齢を推定することができる。骨端軟骨が消失すると、もはや身長の伸びが止まったと判断される。また法医学で、死体の年齢を推定する場合には、歯の数や状態とともに、骨の成長の程度が、大きな手掛かりを与える。上腕骨の骨頭の骨化点や骨端軟骨の消長、骨盤の骨の融合状態、頭蓋骨の隙間の広がりの程度が、よく推定の根拠に用いられる。