骨格筋は収縮することによって骨と骨を接近させるが、筋の付着する位置および骨の間の関節の構造によって、さまざまな種類の運動を引き起こす。二つの骨の間の角度を0度に近づける動きを屈曲、180度に近づける動きを伸展といい、その作用を持つ筋をそれぞれ屈筋 (flexor) 、伸筋 (extensor) という。また四肢を身体の中心軸に近づける動きを内転、遠ざける動きを外転という。その作用を持つ筋はそれぞれ内転筋 (adductor) 、外転筋 (abductor) とよばれる。さらに四肢をその軸の回りにねじる動きを回旋という。上肢では親指を手前に近づける動きを回内といい、その逆の動きを回外という。また下肢ではそれに対応する動きを内旋、外旋という。このほかに、内腔などを閉じる括約筋、広げる散大筋、何かを持ち上げる挙筋、引き下げる下制筋などが、作用によって区別されている。