骨格筋を支配する体性運動神経の軸索は、目標の筋の中に入ると枝分かれして、その終末部が筋線維の中央付近に付着して終わる。この付着部は、神経筋接合部あるいは運動終板 (motor end plate) とよばれ、化学的シナプスの一種で、ここで神経の興奮が筋に伝えられて筋の収縮を引き起こす。神経筋接合部のところで横紋筋細胞は表面に溝を作り、枝分かれした神経終末はその中に埋まっている。神経終末の中には、シナプス小胞(synaptic vesicle)が多数集積しており、神経の刺激が軸索を通ってここに伝わってくると、シナプス小胞が神経終末の膜に融合し、小胞内に蓄えたアセチルコリンを接合部の溝の中に放出する。接合部の筋細胞側の膜には、アセチルコリンに反応して活動電位を発生する受容体があり、これにより筋細胞が興奮し、細胞が収縮する。