筋が神経によって刺激され、張力を発したり収縮したりすることは、筋線維が構造と機能を維持するのに不可欠である。運動を繰り返して筋肉を使うと、いつの間にか筋が太くなることを活動性肥大 (functional hypertrophy) といい、逆に運動負荷が少ないために筋が細くなることは不動性萎縮 (disuse atrophy) とよばれ、どちらも日常的によく経験されることである。肥大した筋は個々の筋線維の太さが増しているのであって、筋線維の数が増えているわけではない。肥大を起こすのは、負荷の軽い長時間の運動よりも、短時間でも負荷の重い運動である。また張力を一定に保つ等張性収縮よりも、筋の長さを一定に保つ等尺性収縮の方が肥大効果が大きい。筋の肥大や萎縮は、筋細胞の代謝状態が変化したために起こると考えられるが、運動や不使用がどのようにして筋の肥大や萎縮につながるかは、分からない点が多い。