人体は、頭から尻までの体幹の両側に、体肢が突き出した形をしている。体幹に比べて体肢の方がよく動く。人間の日常的な運動は、主に上肢と下肢を動かして行われる。上肢と下肢の骨格は、基本的な組み立ては似ているが、働きの違いに対応して、骨格や筋の構造にも違いが見られる。下肢は体重を支えて二足で直立し、さらに歩行などの運動を行う。上肢は、手をいろいろな位置に運んで、ものをつかんだり指で操作したりする。頭の部分では、情報の窓である眼や、食物の取り入れ口である口がよく動くが、さらにこれらの動きによって、表情を作って感情を表現することができる。胸と腹は、呼吸運動のために多少は動く。頸より下の脊柱は、頸と腰のところが動きやすくできていて、頭や上体を動かす運動をしたり、また、ある位置に保って姿勢を作る働きをする。