膝関節は屈伸という単純な運動をするが、大きな荷重を支えながら0度から180度までの広い範囲で運動する。そのため関節の中には、クッションとなる半月や十字靱帯が発達している。膝を動かす筋は、大腿の前面と後面に配置されており、前面の大腿四頭筋は膝関節を伸展し、後面の大腿二頭筋といくつかの筋は膝関節を屈曲する。大腿四頭筋は、力を効率的に伝えるために、膝の前面の膝蓋骨を介して脛骨上部の前面に停止する。膝蓋骨の少し下をたたくと、大腿四頭筋が反射的に収縮して膝が伸びる。これは膝蓋腱反射の検査としてよく行われる。足首は、前後に曲げる(背屈と底屈)、足裏を内外に向ける(内反と外反)、つま先を内外に向ける(内旋と外旋)、といった何種類もの動きを行う。背屈と底屈は、下腿と距骨の間にある足首の上位の関節で行われ、これ以外の運動は距骨とその下の足根骨の間にある下位の関節で行われる。足首を動かす筋は、下腿の前面の伸筋と後面の屈筋に大きく分かれる。下腿後面のふくらはぎを作る腓腹筋とヒラメ筋は、アキレス腱を介して踵(かかと)の骨に終わり、足首関節を底屈し、つま先で蹴る動きをする。屈筋の一部は内果(うちくるぶし)の下を、伸筋の一部は、外果(そとくるぶし)の下を通して腱を足底に送り、それぞれ内反と外反の運動を行う。