脊柱は、椎骨が30数個積み重なったものである。部位によって椎骨の形が異なり、上から順に7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、そして数個の尾椎が区別される。仙椎と尾椎はそれぞれ椎骨がたがいに融合して、一塊の仙骨と尾骨を作る。仙骨は下肢のつけ根にあたる左右の寛骨と一緒になって、骨盤を作る。胸椎は、それぞれ1対の肋骨と関節し、これに胸骨も加わって胸郭という籠のような骨組を作る。そのため胸椎は動きが悪く、かつ後ろに膨らんだカーブ(後弯)を作る。頸椎は、頭蓋と胸郭の間にあって可動性が高く、かつ前に膨らんだカーブ(前弯)を作る。特にリング状の第1頸椎(環椎)は、第2頸椎(軸椎)から突き出た突起の周りに回転するようによく動く。また腰椎も、胸郭と骨盤の間にあって可動性が高く、前弯をする。頸椎と腰椎では、椎骨の間のクッションがはみ出して(椎間板ヘルニア)、脊髄神経を圧迫し、肩から上肢にかけて、また腰から下肢にかけてのしびれや痛みを起こすことがある。