血液は、酸素を肺から全身の組織に、二酸化炭素を全身から肺に運ぶ。血液中の酸素は、ほとんどが赤血球中のヘモグロビン (hemoglobin) に結合し、わずか4%が血漿によって運ばれる。ヘモグロビンは、pH(ペーハー)の低下、二酸化炭素濃度の増加、温度上昇によって酸素親和性が下がり、これによって、活動時には末梢の毛細血管からより多くの酸素が放出されやすくなる。二酸化炭素は、血液中に溶けやすく、また赤血球内にも容易に拡散する。二酸化炭素は、赤血球内で水和し、炭酸脱水素酵素の働きで、水素イオンと重炭酸イオンを生じる。生じた重炭酸イオンは塩素イオンと交換されて赤血球の外に出る。二酸化炭素の一部はヘモグロビンに結合する。こうした過程が末梢の毛細血管で起こり、肺では逆の過程が起こって二酸化炭素を放出する。血液中を運ばれる二酸化炭素の80%は重炭酸イオンとなり、11%はヘモグロビンと結合し、9%が溶解した二酸化炭素となっている。