ネフロンの管状の部分と集合管とを合わせて尿細管とよぶ。尿細管は走行が複雑なだけでなく、その壁を作る上皮の性質もその途中でさまざまに変化するので、いくつかの分節が区別されている。おおまかには近位尿細管、中間尿細管、遠位尿細管、集合管に分ける。近位尿細管は細胞の管腔側に微絨毛(びじゅうもう)が密に生えているのが特徴で、近位曲部とヘンレループ下行脚の一部を占める。中間尿細管は壁がきわめて薄く、ヘンレループの下行脚と上行脚にまたがる。遠位尿細管は細胞同士が突起により嵌合するのが特徴で、ヘンレループ上行脚の一部と遠位曲部を占める。集合管は立方ないし円柱状の細胞からできている。これらの分節は、尿から再吸収する能力もホルモンに対する反応も異なっている。こういうさまざまな特性をもつ分節が腎臓の中に秩序をもって配置されていることが、尿の濃縮や尿成分の調節に大きな役割を果たしているのである。