尿はカルシウムや尿酸を相当量含んでおり、それらが固形物となる可能性は常にある。しかし正常の腎では尿がやや酸性に保たれ、尿が滞らずに流れ、さらに結晶の生成を防ぐたんぱくがあるなど、結石をできにくくする条件がそろっている。結石はこれらの条件のどれかが崩れた時に生じると考えられる。尿路結石のほとんどはシュウ酸カルシウムあるいはリン酸カルシウムを主成分としている。尿中のカルシウム量は、飲食物からのカルシウムの大量摂取や、上皮小体ホルモンの異常などさまざまな原因により増加する。尿中のシュウ酸量はビタミンCの過剰摂取などにより増加する。また腎盂(じんう)に細菌感染がおこると、尿素からアンモニアが生じて尿がアルカリ化し、リン酸が析出しやすくなる。その他、代謝異常により尿酸やシスチンの結石ができることがあるが、頻度は高くない。