心臓は、還流血液量によって自動的に拍出力を調節するほかに、神経による調節も受けている。心臓は、交感神経と副交感性の迷走神経に支配される。どちらも絶えず心臓を刺激し、その刺激頻度を変えて、心拍数や心筋の収縮力を調節している。心臓交感神経から出される伝達物質はノルアドレナリン(noradrenaline)で、これは心拍数を増し心筋の収縮力を高める作用がある。心臓迷走神経の伝達物質はアセチルコリン(acetylcholine)で、これは心拍数を減らし心筋の収縮性を低下させる作用がある。心拍動は、内分泌腺から出されるホルモンにも影響される。副腎髄質から分泌されるアドレナリンとノルアドレナリンは、心臓交感神経の刺激同様の効果をもつ。また甲状腺ホルモンもこれと似た機能をもち、甲状腺疾患の時に問題となる。また血液中のイオンも心筋の拍出力に影響し、たとえば血中カリウム濃度が2~3倍になると、心臓の収縮が弱まり生命維持に不十分となる。