心臓から出た血液は動脈を通って全身に配分され、毛細血管で物質交換を行い、静脈に集められて再び心臓に戻る。動脈は静脈と異なり壁が厚く、高い圧に耐えるようにできている。動脈が枝分かれして直径0.5ミリ以下になり、壁の中膜に平滑筋がよく発達した部分を細動脈という。細動脈では血流に対する抵抗が高く、血圧を著しく下げて毛細血管に送る。心臓から見て末梢の循環の抵抗の相当部分を細動脈が担っている。したがって、細動脈の収縮状態は動脈の血圧に大きな影響を与えることになる。細動脈は血管内の圧に応じて血管抵抗を調節し、自動的に血流量をほぼ一定に保つ働きを備えている。細動脈はさらに神経やホルモンによる調節を受けて、局所の血流量を調節するが、その反応性は器官により異なっている。