視床は、間脳の大部分を構成する核群で、大脳皮質に多数の神経線維を投射している。求心性の神経結合や大脳皮質の部位との関係で、いくつかの核に区別されている。視床の役割は、まず嗅覚以外の感覚性神経線維を中継し、対応する感覚野に投射することである。後腹側核、外側・内側膝状体がこれを担当する。末期がんの慢性の痛みを除くために、後腹側核の痛みを中継する部分を外科的に破壊することがある。感覚性以外の求心性線維を受けて大脳皮質に投射する核もいくつかある。とくに前腹側核と外腹側核は、小脳や大脳基底核から入力を受けて大脳皮質の運動野に投射し、姿勢や運動の制御に重要な役割を果たしている。