頭蓋と脊柱の外側にある神経組織を末梢神経という。中枢神経のどこから出るかによって、脳神経と脊髄神経を区別する。脳神経(cranial nerves)は全部で12対あり、頭部の特殊感覚器を支配する神経(第I、II、VIII番)、外眼筋の運動を支配する神経(第III、IV、VI番)、頭部の筋の運動や皮膚の知覚を支配する神経(第V、VII番)、咽頭や喉頭を始め内臓の運動と知覚を担当する神経(第IX、X番)、頸と背中の一部の筋を支配する神経(第XI番)、舌の筋の運動を支配する神経(第XII番)がある。脊髄神経(spinal nerves)は31対あり、脊柱のどの高さから出るかにより、頸神経(8対)、胸神経(12対)、腰神経(5対)、仙骨神経(5対)、尾骨神経(1対)に分かれる。それぞれ筋の運動神経や皮膚の知覚神経、さらに自律神経を含む。上肢は下部頸神経の作る腕神経叢の枝に、下肢は下部腰神経から仙骨神経の作る腰仙骨神経叢の枝に支配される。