頭皮に電極を当てると、振幅数十マイクロボルトの電位変動を記録することができる。この電位変動を脳波といい、意識状態によって特有のパターンを示し、大脳皮質の神経細胞の電位が加重されたものと考えられる。覚醒(ステージW)して閉眼のときには8~13ヘルツのアルファー波、開眼のときには14~25ヘルツのベータ波が著明にみられる。眠りの深さは傾眠(ステージI)、浅い睡眠(ステージII)、深い睡眠(ステージIII・IV)、および逆説睡眠(ステージレム)に分けられ、それぞれ脳波のパターンが異なる。逆説睡眠は最も目覚めにくい深い睡眠にもかかわらずステージ1に似た脳波を示し、急速眼球運動(REM ; rapid eye movement)を生じ、四肢の筋の緊張は低下し、夢体験が活発である。睡眠の間に各ステージを順に進み、一晩のうちに4、5回繰り返す。そのうちステージIIが最も長く、全体の半分の時間を占める。逆説睡眠は全体の4~5分の1である。