眼は、直径25ミリほどのボール状で眼球とよばれ、壁は3層からなる。最外層の線維膜は、大部分が強膜 (sclera) という固い白い膜で、前方部が透明な角膜 (cornea) になっている。第2層は、血管と神経とメラニン色素に富む脈絡膜 (choroidea) で、その前方部は肥厚し、毛様体 (ciliary body) 、さらにその前方で瞳を閉じる虹彩 (iris) となっている。最内層は、光を感受する網膜(retina) である。眼球を前方から見た黒目の部分が、光を眼球内に通す角膜の部分で、その周囲の白目は、皮膚の延長である結膜 (conjunctiva) を通して、強膜が見えている。光は、前方から角膜を通して眼球に入り、前眼房の中の眼房水、水晶体、硝子体を通過して網膜に達する。眼球には六つの外眼筋 (extraocular muscles) が付属して、眼球の向きを変えることができる。これらのうち上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋と、さらに上眼瞼挙筋が動眼神経 (oculomotor nerve) に支配され、上斜筋が滑車神経に、外側直筋が外転神経に支配される。