眼の前の1点を注視した状態で見える範囲を視野とよぶ。白に対する視野よりも、色に対する視野は狭く、なかでも緑に対する視野が最も狭い。注視した点から15度外側の位置に、視細胞のない視神経乳頭に対応して視覚のない盲点がある。視力とは、眼の分解能の良し悪しを示す数値で、二つの異なる点あるいは線同士を識別できる最小の視界を分単位にしたものの逆数を用いて表す。視力1.0というのは、最小の識別角が1分で、これは5メートルの距離から、1.5ミリ離れた2点を識別する視力に相当する。ヒトの眼は、波長が400ナノメートルの紫から、800ナノメートルの赤までの範囲の可視光線を感知できる。色覚には、波長やその組み合わせに対応する色調 (hue) 、色の明るさにあたる明度 (luminosity) 、そして色に白や黒が混ざって白っぽく、ないし黒っぽくなった度合いを示す飽和度(彩度 ; saturation)の3要素が区別できる。