味には色々な種類があり、塩、酸、甘、苦の四つの基本の味が混合して生じるとされるが、これに当てはまらないアルカリ性や脂肪性の味などの例外も知られている。味覚には個人差が大きく、とくにフェニール・チオ・カルバミドに対する感覚は、全く感じない人から1億倍に薄めても感じる人までいる。また舌表面の部位によって、敏感に感じる味の種類が異なることが知られている。化学構造と味覚の間には、ある程度関連性があるが、嗅覚の場合と同様に、両者を結びつける普遍的な原則はまだ分かっていない。味覚は順応が速いために、味物質が舌の同じ部位を刺激し続けると、感覚がすみやかに弱まってしまう。食事中に舌の運動を行うのには、味覚の順応を小さくする働きがある。