皮膚は、表面を覆う表皮 (epidermis) という上皮組織と、真皮 (dermis) と皮下組織 (subcutaneous tissue) という2層の結合組織からできている。表皮は重層扁平上皮で、上皮細胞の中にケラチンという細胞骨格たんぱくが蓄積して角化する。表皮の細胞は、最深層で分裂して新しく作られ、表皮の中を上がりながら角化し、最表層から剥げ落ちて垢となる。表皮の中にはメラノサイトという細胞があって、皮膚の色のもとになるメラニンを作る。また爪や毛は、表皮の細胞が変化したもので、骨格とのつながりをもたない。真皮は、コラーゲン線維が密に集まった強靱な線維性結合組織で、皮膚本体の強靱さを作る。皮下組織は、ややまばらな線維性結合組織で、脂肪細胞をたくさん含み、真皮と骨格の間をゆるくつないでいる。皮膚には、汗腺と皮脂腺が付属している。汗腺には、2種類のものがある。全身の皮膚に分布するエクリン汗腺は、小型で主に水分だけを分泌する。腋窩(えきか)や外耳道にあるアポクリン汗腺は、脂肪やたんぱく質を含む分泌液を出す。皮脂腺は毛に付属して、皮膚に脂肪分を供給する。