皮膚の触・圧覚の敏感さを測るのに、閾値(しきいち)すなわち感知できる最も小さな刺激の大きさと、2点識別閾すなわち区別できる最も近い刺激点の距離を用いるが、触覚では顔面が最も敏感で、圧覚では手の指が最も敏感である。触覚や圧覚を感じる触・圧点は、鼻や指では1平方センチあたり100個以上ある。振動は、200ヘルツ程度の周波数が最も敏感に感じられ、身体の中では、手のひらが最も感度が高い。真皮や皮下組織に見られるさまざまの感覚受容器は、触、圧、振動といった機械的な刺激を感知すると考えられる。存在する部位や構造によりメルケル盤、ルフィニ終末、マイスナー小体、パチニ小体などが区別され、それぞれ鋭敏に反応する圧や周波数の大きさが異なるとされる。これらの受容器からの精細な情報を伝える軸索は、脊髄後根を通って脊髄に入り、同側の後索を上行して、延髄の後索核でニューロンを乗り換え、視床に至る。これに対し、識別性の悪い粗大な触覚を伝える軸索は、脊髄の前索を上行して直接視床に至る。視床からは大脳皮質の一次体性感覚野に情報が送られる。