精巣の内部には、太さ0.2ミリの精細管 (seminiferous tubule) が密に詰まっており、精子形成はこの精細管の中で起こる。精細管の上皮の中には、原始生殖細胞 (primordial germ cell) から由来した精祖細胞があり、これが分裂を繰り返し、その一部が、減数分裂をして精子に分化する。精子の形成は、思春期とともに始まり、ほぼ一生の間持続する。精子は、1日に3000万個ほど作られる。1回の射精で放出される精子の数は、1億~4億個である。精子は、長さ約60ミクロンほどで、先端の4~5ミクロンが細胞核を含む頭で、残りのほとんどは尾である。成熟した精子は、この尾の運動により、毎分1~4ミリ程度の速度で遊泳する。精子は、輸精路の中では、何週間でも生きているが、射精されて体外に出ると、体温では24~48時間しか生存しない。しかし摂氏マイナス100度で凍結すると、長年にわたり保存できる。