生殖年齢の女性は、約1カ月の周期で、出血とともに子宮粘膜が剥離し、月経 (menstruation) として膣から排出される。この月経の第1日目を周期の始めとした周期を、月経周期という。月経とともに、約15~20個の卵胞が、グラーフ卵胞への成熟を開始し、エストロゲンを分泌し始める。そのうち通常、ただ1個が完全に成熟し、さらに下垂体からの黄体化ホルモン(LH ; luteinizing hormone)と卵胞刺激ホルモン(FSH ; follicle stimulating hormone)の作用を受けて大量のエストロゲンを分泌し、月経周期の14日ごろに排卵をする。残りの卵胞は、成熟過程を中止し、消失する。この間、子宮では月経を終了し、粘膜が増殖して厚さを増す。排卵を済ませると、卵胞は黄体に変わりプロゲステロンとエストロゲンを分泌し、その作用により、子宮内膜の増殖が抑えられ、子宮内に分泌物を出す。受精卵が子宮に着床して黄体化ホルモンと似た物質を出すと、黄体は妊娠終了まで維持されるが、そうでなければ、黄体は12~14日で退化する。黄体が退化して女性ホルモンの分泌が低下すると、子宮では粘膜が壊死、剥離して、月経が始まる。