生殖補助技術の一つである体外受精によって誕生した子供のこと。体外受精児は国内で年々増加しており、2004年には約1万8000人が誕生、年間出生数の約1.6%を占めているという。新生児のおよそ100人に1人は体外受精児という状況である。日本での第1例は1983年であるが、84年に誕生した3例目の女児が成人し、2003年8月に体重2726グラムの男児を出産していたことが07年5月に報道された。海外では、世界初の体外受精児である英国の女性が、06年12月に自然妊娠で男児を出産している。体外受精児の出産の状況も含め、体外受精児の誕生後の追跡調査に関しては、体外受精の実施が普及している割には調査が不十分であったこともあり、06年11月に厚生労働省は日本産科婦人科学会と協力し、2000人以上の体外受精児を対象に、誕生から学童期(小学生)までの心身両面での発育状況の調査を行うことを明らかにした。このような調査は本来体外受精の実施開始から始めることが科学的調査としては重要であったといえるが、不妊治療施設と出産施設が異なるなどの例も多く、また生殖補助技術に対する法制化などの遅れなどもありこれまで実施されてこなかった。