ある病気による症状と似た症状を引き起こす物質を、希釈して患者に飲ませることで、治癒力を引き出して治療に向かわせる行為。創始者とされるドイツ人医師のサミュエル・ハーネマンが、19世紀に提唱した理論を踏襲する。日本では代替医療の一つとなっている。にわかに注目されたのは、2009年10月に山口県で2歳の女児がビタミンK欠乏症で死亡した事件で、その出産を担当した助産師がホメオパシー療法を施し、ビタミンKが必要であったにもかかわらず摂取を妨げて死亡させたことからである。多くの報道にともない、社会的にその治療効果への関心が高まり、10年8月には日本学術会議が「ホメオパシーは科学的根拠がない」と発表し、それを日本医師会や日本医学会も支持した。この声明が、ほかの代替医療の評価にも関心を向ける結果となってきており、民主党政権も代替医療全般について前向きな対応を示している。