児童虐待とは、18歳未満の子どもに対する心理的、身体的、性的な暴力のこと。育児放棄(ネグレクト)とは、児童虐待の種別の一つで、子どもの心身の正常な発育を妨げることや、保護、監護を長期的に怠ることをいう。近年、幼いわが子を家に閉じ込めた状態で親が外出して、長期間食事を与えないで死亡させる事件が目立つようになっており、少子化の問題がある一方で、子どもを持った親たちの児童虐待の実態が社会問題となっている。日本には、2000年に制定された児童虐待防止法があるが、児童相談所や警察などの具体的な制度的対応についても、議論がなされている。乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設への入所理由にも、虐待が多く挙げられており、子どもの誕生と養育に関しては単に親の責任を問うのではなく、社会の中で育てるという視点も強調され、子どもの福祉と権利に重点をおいた社会的対応が求められている。