治療や介護の内容を含むケア全体について、その対象者本人および家族と、医療、介護、福祉関係者との間で、将来の本人の判断能力の有無に応じた対応をあらかじめ話し合って決めておくこと。従来、治療などに関しては、患者の判断能力が失われた時に備え、治療などの内容を事前に決めておくアドバンスディレクティブ(事前指示)、また、特に死に向かう経過における対応についてはリビングウイル(生前の意思)として、本人の意思を尊重する議論がなされていた。しかし近年、高齢社会の到来に際し、主に認知症を想定して、医療面のみではなく、介護福祉面における対応も含めたケアプランを、本人の意識が清明な間に決めておくことが必要とされてきた。介護福祉施設で容態が急変した時など、病院へ行くことなしに、そこで死を迎える看取りが認められた制度的背景もあり、この考え方は今後一般化していくと予想されている。