不治の病や老化によって、人生の終末を迎えつつある患者に対し、身体的および精神的な苦痛の緩和を優先し、本人の意思を尊重して支援していくこと。1999年、アメリカの神経内科医キャスリーン・フォーリー(Kathleen M.Foley)が提唱した。このような医療行為は、従来、日本では終末期医療やターミナルケアと呼んでいたが、海外にならって言い換えるようになった。「終末を迎える直前期の患者へのケア」という点では、ターミナルケアとの相違が分かりにくいが、近年は終末期医療が長期化する傾向にあり、患者の死に対する考え方が重視されるようになってきた。そうした中で、医療従事者への教育も含め、患者への対応のあり方を改めて考える、という意味から新しい用語として使われるようになったと思われる。