体外受精卵の全染色体を調べ、子宮に戻す前に異常を見つける検査。新型着床前診断の一つ。体外受精卵を培養し、初期胚の段階で染色体の一部を調べる従来の検査にくらべ、高精度であることが特徴とされる。2012年7月、神戸市の産婦人科医院が、1年余りにわたって97組の夫婦に実施したことが明らかになった。これに対し、日本産科婦人科学会が、着床前診断の実施は会告により重い遺伝病に限定していたことから、大きな波紋を呼ぶものとなった。受診した97組のうち、39人が妊娠、16人が出産、20人が妊娠中、3人は流産と判明し、妊娠率においては従来の体外受精の3倍近くであったとされている。しかし、そのぶん障害の有無による生命の選別が、より積極的になされたということでもあると考えられ、問題視されている。