不妊症の女性が、自らの卵巣から採った細胞のミトコンドリアを卵子に入れる不妊治療。この治療は「卵子若返り法」とも呼ばれ、妊娠率が改善するという。事前に腹腔鏡手術で摘出した卵巣組織の一部からミトコンドリアを採取し、体外受精をする際に父親の精子とともに卵子に注入するなどによって行われる。有効性については疑問も示されているが海外では実施されており、日本産科婦人科学会も2015年12月、臨床研究として実施することを認めた。17年6月21日、大阪にあるクリニックは16年頃より21人の女性がミトコンドリア不妊治療を受け、そのうち27~44歳までの6人が妊娠に至り、4人が出産したと発表した。一連の治療には体外受精の1回30万~40万円に比べ、この治療法は1回170万円ともいわれ、かなり高額な治療となっている。反面、生殖補助技術を利用しても妊娠に至らない女性には大きな影響を与えていると思われる。治療法については、産科病院のホームページなどで広く紹介されている。