突然流行する感染症の原因となる未知のウイルスのこと。天然痘やポリオなど従来の感染症の克服の見通しが立った1970年代以降、世界各地で報告が相次いでいる。エボラウイルス、マールブルグウイルスなどの多くの出血熱の原因ウイルス、2003年に世界中に恐怖を与えたSARSウイルス、HTLV-1とHIVの属するヒトレトロウイルス群、C型肝炎ウイルスなど多種のウイルスを含む肝炎ウイルス群や、パラミクソウイルスの仲間でヘンドラウイルスなどがある。また、一度流行したものが時を経て再流行するリエマージングウイルス(再興ウイルス ; reemerging virus)がある。95年にザイールで発生し、激しい全身出血を引き起こし、異常に高い死亡率で有名になったエボラウイルスや口蹄疫などもリバイバルウイルスであった。