マールブルグウイルス(Marburg virus)とエボラウイルス(Ebola virus)はともにフィロウイルス科に属し、激しい出血熱の原因となり、アフリカにその起源をもつ。マールブルグウイルスではサルからヒトへ感染が広がったが、エボラウイルスのもともとの宿主動物は、今のところ不明である。感染から4~16日のうちに、頭痛、筋痛、発熱、発疹、肝炎、全身の出血を起こす。出血とショックで死亡するが、死亡率は50~90%近い高率である。対策としては、治療法が存在しない現在、感染しないことがもっとも大事である。ラッサ熱(Lassa fever)は、アレナウイルスに属するウイルスが野ネズミの尿や唾液よりヒトに感染し、ヒトからヒトへ感染で広がる。やはり出血、喉頭、腸、心筋、肺の炎症を起こす。ラッサウイルスは、アフリカノネズミが自然宿主であったが、同様の出血熱は世界中に分布している。黄熱やデング熱は蚊が動物とヒトとの間をつなぐもので、それぞれ黄熱ウイルス(Yellow fever virus)とデング熱ウイルス(Dengue virus)により媒介される。