表皮糸状菌や小胞子菌とともに、皮膚糸状菌の仲間にあたる菌。角質の中にあるケラチンというたんぱく質を好み、高温多湿の環境で繁殖しやすい。ヒトに寄生するもののほか、動物寄生性のもの、土壌生息性のものがある。動物寄生性のものからヒトに感染することがある。白癬菌が皮膚に住みつき、赤い斑状の病変と強いかゆみを伴い、腫れやただれなどを生じるのが一般に水虫と呼ばれるものである。足や爪などに好発するが、それぞれ足白癬、爪白癬と呼びならわしている。家庭や一般の人が集まる公共施設などを素足で歩いたりすると、感染の危険性が高くなる。検査は、皮膚の擦過物、爪などを水酸化カリウム液で消化し、顕微鏡観察すると特徴的な糸状の菌が見えることで簡単に診断できる。テルビナフィンやグリセオフルビンなどの薬で治療するが、症状が治まっても継続して使用することが重要である。