アビウム菌が引き起こす肺の病気で、同じ抗酸菌の仲間であるイントラセルラーレ菌によるものを含む場合もある。喫煙者の肺に空洞ができる病型と、喫煙と関係なく肺の広い範囲に小さな結節形成や気管支が拡張する病型がある。前者は男性に多い。後者は近年、中年女性に好発し、社会的にも注目されている。抗酸菌は、体内できわめてゆっくりと増えるので、感染後も無症状のまま潜伏期間が非常に長く続く特徴がある。無症状あるいは軽い症状でも肺レントゲンで見つかることが多く、発症するとせき、倦怠感、さらに病気が進むと発熱、体重減少、喀血(かっけつ)、息切れなどの症状がみられる。治療は困難なことがあり、専門医による抗生剤治療が必要である。